【医師向け】転科のメリットデメリット。キャリアプランはどうする?

本を読む男性医師

医師にとって、転科とは自身のキャリアに大きな変化が生まれる重大な転機です。

これまで経験した領域から、まったく新たな専門分野に足を踏み入れることとなるため、興味を持っていても実際に行動に移すのは悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、転科を考える理由、転科を成功させるためのポイントや医師に人気の転科先などを網羅的に解説し、転科に悩む医師の方々に向けて具体的な情報をお届けします。

将来を見据えて、新しいキャリアを築くための第一歩を踏み出しましょう。

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医師が転科を考える理由とは?

書類を見ている医師

医師が転科を考えるのはどのような場面でしょうか。

ここでは、具体的に5つの理由を紹介します。

体力面・精神面を考慮

多くの医師は、40代半ばあたりから自身の老化を実感し始め、その影響により転科を検討するケースが増えていきます。

視力や手技の衰え、それによる自信の減退、さらに当直や長時間勤務に体力的に厳しさを感じるなど、さまざまな場面で「今までとは何かが違う」と実感するようになります。

また、臨床現場で実際に患者と接する医師にとって、直接命に関わる重圧が精神的に厳しくなり、働き方を検討して転科を考えるケースもあります。

別の診療科に興味が出てきた

患者との接触や症例の経験など、医師としてキャリアを積むなかで、他の診療科への興味が芽生えることもあるでしょう。

例えば、内科医が外科領域の手術に興味を持ち始める、といった具合です。

また、現在の環境で満足できなくなり、より自身のスキルを活かせる環境を求めてキャリアプランを見直し、転科を検討するケースもあります。

世の中のニーズを考慮して、将来的な需要が高まりそうな診療科への転科を選択する医師もいます。

ワークライフバランスを大切にしたい

昨今の働き方改革の推進により、医療業界もワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。

家族の時間を大切にしたい、自身の勉強の時間を確保したいなど、ライフの部分を考える医師も増えてきました。

特に結婚や子どもが生まれるなど、ライフステージが変わるタイミングで転科を考えることもあるでしょう。

適切なワークライフバランスを保つことは、医師自身の健康の維持にもつながります。

より良い医療サービスの提供を目指して、転科は一つの選択肢となりえます。

親の跡を継ぐ・開業を見据えて

医師が将来開業するためには、診療科目を増やす必要が生じることもあります。

転科によって、自分が見られる幅を広げることができ、開業時により多様な患者層に対応できるようになります。

また、親や親族が経営する病医院を継ぐために転科する医師もいます。

このケースでは、自身の希望というよりは、必要に迫られての転科になりますが、家族が営んできた医療機関を受け継ぐことで、地域の医療を支える使命を担い、家族の歴史を守る意味合いも持っています。

収入アップのため

経済的理由から、より高収入を目指して転科を選択する医師も少なくありません。

例えば、自由診療の美容外科や美容皮膚科、高い診療報酬が期待される透析医療や糖尿病内科など、収入を重視した転科先があげられます。

また、開業を見据える医師も、経済的な観点から転科を選択することがあるでしょう。

開業には多額の資金が必要となります。

その資金を貯めるため、収入面を重要な要素として、他分野へ転科を検討するケースも存在しています。

転科を成功させるためのポイント

実際に転科を選択する場合、慎重に取り組む必要があります。

ここでは、転科を成功させるポイントを解説します。

本当に転科する必要があるかを考える

まったく異なる領域へのチャレンジが理由の場合、転科は必要な選択となりえます。

転科によって新たな知識やスキルを身につけられ、医師として大きく成長できるでしょう。

一方で、転科を検討する理由が人間関係や長時間勤務などの問題にある場合は、転科をしなくても勤務先を変えることで問題を解消できる可能性もあります。

新たな専門分野に適応するためには労力や時間がかかります。

それを乗り越えてでも転科がしたいのか、よく考えて決断してください。

転科先で必要なスキルや資格を把握する

転科を検討する際には、新たな専門知識や技術を学び直す必要があることを、あらためて覚悟しておきましょう。

転科先の診療科によって必要とされるスキルが異なるため、具体的にどのような勉強が必要かを把握することが大切です。

また、専門的な資格や認定が求められる分野もあるため、必要な資格、役立つ資格があれば取得しましょう。

転科先によっては、患者さんとの距離感やコミュニケーションの取り方にも気を配ることが求められるため、事前の情報収集が重要です。

転科経験のある医師の話を聞く

転科した経験がある医師や、希望の科で働く医師の話を聞くこともおすすめです。

自分で想像したり情報を調べたりするよりも、具体的な経験談を聞くことで、よりリアルに転科のイメージを描くことができるでしょう。

特に希望を持って転科を考えている場合は、良い面のほうが目につきやすい傾向があります。

しかし、どこの診療科でも一定の課題は存在しているものです。

メリットだけでなくデメリットもしっかりと確認することで、客観的な意思決定ができるでしょう。

医師に人気の転科先

視力検査表 ランドルト

ここでは、人気の高い転科先を4つご紹介します。

多くの医師に選ばれている、具体的な理由を見ていきましょう。

美容皮膚科・美容外科

美容皮膚科や美容外科は、特に外科医から人気のある転科先です。

命に関わる場面がほぼないため、精神的な負担が減って働きやすいとされています。

また、緊急手術やオンコールも基本的にはなく、ワークライフバランスを重視して働ける環境が整っています。

自由診療のケースが多いため、高収入を得ることができる点も大きな魅力です。

眼科

高齢化社会の進展で視力障害の患者が増えているため、眼科の需要も高まっています。

眼科では当直がなく、手術も日帰りで終わる場合が多いため、ワークライフバランスを重視した働き方が可能です。

また、非常勤の募集が多いため、時間の融通をつけやすいという特徴もあります。

育児と仕事を両立させたい医師にも適している環境といえるでしょう。

放射線科

放射線科は、オンコールや当直業務があまりなく、自分のペースで働くことができます。

また、他の診療科から依頼されて働くことが多いため、自身が担当する患者がいない点も特徴的です。

放射線技師と連携して画像検査や放射線治療をおこなうため、チームでの協力的な働き方が好きな医師には向いているでしょう。

産業医

産業医は、医療業界以外で働きたいと考える医師にとって魅力的な選択肢となります。

企業に常勤したり訪問したり、会社員と同様の働き方ができるため、ワークライフバランスも改善されるでしょう。

臨床医のように実際の診断・治療はおこないませんが、企業内で従業員の健康管理や予防医療に携わることで、医師としての視野を広げることができるでしょう。

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まとめ

男女の医者

転科を考える医師は多く、さまざまな理由から転科先を模索しています。

キャリアプランや体力、ライフステージを考慮し、転科の必要性をじっくりと考えましょう。

転科を成功させるには、必要なスキルや資格を把握し、経験のある医師の話を聞くことが大切です。

転科はキャリアを一新する重要なイベントです。

慎重な検討と情報収集によって、将来を見据えた最善の選択をおこなってください。

自身の志向やニーズに合った転科先で、より充実した医師としてのキャリアを築いていきましょう。

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