【看護学生向け】看護実習の期間はどれくらい?内容やスケジュール例もご紹介
看護師を目指したいものの、看護実習が不安で尻込みしている方もいるかもしれません。
看護師になるには、実際の臨地実習が必要不可欠です。
そこで今回は、看護実習の期間やスケジュール、つらいときの乗り越え方などをご紹介します。
看護学生はもちろん、看護学校への進学を検討している方はぜひ参考にしてください。
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看護実習の期間とスケジュール
進学先の学校により実習内容や計画は異なりますが、ここでは4年生大学を例に、年次ごとの看護実習の一例を紹介します。
1年生
- 時期:2月頃
- 内容:基礎看護学実習Ⅰ
- 期間:1週間程度
医療施設、老人保健施設などの臨床現場で、地域の方々との関わりから、看護師の役割や看護の基礎を学びます。
2年生
- 時期:2月頃
- 内容:基礎看護学実習Ⅱ
- 期間:2週間程度
看護のサービス内容と提供方法を学び、病棟患者さんへの日常生活の援助を通して、看護の基本の習得を目指します。
3年生
- 時期:10月頃
- 内容:成人看護学実習(急性期)
- 期間:3週間程度
手術を受ける患者さんの、病棟・手術室・ICUの一連の周術期の看護を実習し、専門の知識や技術を学びます。
- 時期:11月頃
- 内容:成人看護学実習(慢性期)
- 期間:3週間程度
慢性疾患で入院治療を受ける患者さんと、自己管理が必要な患者さんを支える家族を対象とした看護の立案や実施に必要な能力を養います。
- 時期:1月頃
- 内容:精神看護学実習
- 期間:2週間程度
精神の健康障害を持つ患者さんを理解し、生活を支えるために必要な援助や、退院後の生活の支援や看護者の役割を学びます。
- 時期:2月頃
- 内容:在宅看護学実習
- 期間:2週間程度
訪問看護師と在宅療養者の自宅を訪問し、疾病や障害を抱える方の生活や家族の支援のあり方の理解を深めます。
4年生
- 時期:5月頃
- 内容:老年看護学実習
- 期間:3週間程度
入院し治療を受ける高齢者の特性を理解し、健康レベル別に適切な看護を展開できるよう援助技術を磨きます。
- 時期:6月頃
- 内容:母性看護学実習
- 期間:2週間程度
妊娠から出産後までの母性とセルフケアの支援ができるよう、対象別の個性やライフサイクルの各期の特徴を学びます。
- 時期:7月頃
- 内容:小児看護学実習
- 期間:2週間程度
成長・発達過程にある子どもと家族を理解し、子どもとの関わり方や健康段階に応じた看護が実践できる能力を養います。
- 時期:9月頃
- 内容:統合看護学実習
- 期間:3週間程度
今までの実習の集大成として、学んだ知識や技術を統合して、安全で質の高い看護サービスが提供できるよう実践力を高めます。
ある看護学生の1日のスケジュール
実際には、実習先の病院や施設、受け持ちの科目などによりスケジュールは異なります。
5:30 | 起床 |
6:30 | 家を出る |
7:30 | 実習先に到着、着替え |
8:00 | 実習スタート、実習計画の確認 |
8:30 | 申し送り |
9:00 | 患者さんへの挨拶、看護ケア |
11:30 | 患者さんの配膳、食事介助 |
12:00 | 昼休み |
13:30 | 患者さんへの挨拶、看護ケア |
15:00 | 学生カンファレンス、指導者への報告、明日のケアの確認 |
16:30 | 患者さんへの挨拶、実習終了 |
17:00 | 記録 |
18:30~ | 帰宅、夕食、今日の振り返りと明日の準備 |
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看護実習期間につらくなったときの乗り越え方
看護実習のさまざまな実体験を見聞きして、不安に思う方もいるでしょう。
実際にどのようなことが大変なのか、どうつらかったのか解説するとともに、つらいときの乗り越え方をご紹介します。
指導者が厳しい・怖い
よく聞かれるのが実習先での指導者の厳しさでしょう。
実習先は人の命を扱う現場のため、どうしても厳しくならざるを得ません。
実習指導者は、実習の協力を受諾してくれた患者さんに対して質の高い看護サービスを保証する必要があります。
実習指導者は学校の教員とは異なり、学生への指導がメインではなく、患者さんを中心とした立場で指導にあたります。
学生とのやり取りに十分な時間が割けないため、冷たいと感じることもあるかもしれません。
その辺を理解しつつ、学生は質問を簡潔にするなど配慮しましょう。
看護師なら誰もが通る道ですから、この方もかつては自分のように苦労した、と割り切るほかありません。
不快や理不尽なことに対してはスルースキルを身につけ、反面教師として、いずれ自分が指導者になったときに役立ててください。
実習記録やレポートを書くのが大変
実習中は、慣れない実習記録の整理やレポート作成に多くの時間を割くことになるでしょう。
睡眠時間を削ることもあり、体力的にもキツイと感じる学生もいます。
実習後に一から始めようとすると、あれこれ思い出して思考がまとまらず、時間がかかるばかりです。
あとでまとめてやろうとせず、実習の合間にこまめにメモを取ることをおすすめします。
要領がわからないときは、実習担当の先生に記載内容などを相談しましょう。
患者さんとうまくコミュニケーションが取れない
「患者さんと良い関係を築けるか心配」との声も多く聞かれます。
受け持ちの患者さんは臨地実習に同意してくれた協力的な患者さんなので、心配しすぎる必要はありません。
カルテで情報収集して患者さんを知り、明るく挨拶から始めましょう。
先輩看護師の様子を観察して、どのような話題が適しているのか参考にしてください。
なかには優しい声かけや励ましてくれる患者さんもいます。
あまりに悩むようなら、病棟の先輩や学校の先生に相談しましょう。
事前学習が多くて大変
患者さんの病状をよく知り、適切な看護を実践するためにも事前の自己学習は欠かせません。
実習を有意義なものにするためには、事前に勉強して知識を入れておく必要があります。
覚えることが多すぎるときは、教科書や資料を実習先に持っていき、休み時間や空いた時間にすぐ確認できるようにしておきましょう。
睡眠時間や休日が削られることもありますが、実習後のご褒美ややりたいことをモチベーションにするのもおすすめです。
看護実習期間を乗り切るコツ
座学と違い、実習は本物の現場で患者さんと向き合うため、思うように進まないことが多々あります。
先輩ナースの皆さんは、どのように実習期間を乗り切ったのでしょうか。
ここでは、実習を乗り切るコツをご紹介します。
仲間と励まし合う
実習先で同じ立場の仲間を作り、悩みを共有しましょう。
喜びや苦労をともにわかち合えるのは、同じ現場で同じ境遇に置かれた実習生ならでは。
仲良くなりいろいろと相談できれば、自分だけがつらいのではないとわかり、お互い励まし合えるでしょう。
実習の場でじっくりと話す時間は取れなくても、顔を合わせたときに「がんばろう!」と声かけするだけでも違います。
学校の友達に愚痴をこぼすことでストレス発散できた方もいます。
指摘は素直に受け入れる
実習中は、足りない部分やできていない部分を指摘され、注意を受けたり叱られたりすることも多いでしょう。
しかし、それで変に萎縮してしまう必要はありません。
実習生は未熟であり、成長するために実習に来ているので、足りない部分やできていない部分があって当たり前です。
不満な態度を取ったり逆ギレしたりせず、指摘は成長材料として素直に受け入れましょう。
今後は同じ間違いを繰り返さないようにすればいいだけです。
忙しくて指摘のしかたがぶっきらぼうだったり、言い方に問題があったりするかもしれませんが、教えてくれたことに対して感謝できるようになるといいですね。
自分の健康に気をつける
実習中は、緊張、ストレス、多忙、寝不足などにより、いつも以上に疲れやすくなっています。
疲れが取れず体調を崩して実習を休むことのないよう、しっかりと自分の健康管理に留意する必要があります。
実習を休んだ分だけ、どこかで補うために一人で実習を受ける可能性もあるため、できるだけ休まないようにしたいですね。
規則正しい生活や十分な睡眠は無理でも、できる限り健康を損ねないよう体力を温存して臨みましょう。
まとめ
看護実習は何もつらいことばかりではありません。
慣れないうちは不安で萎縮していた学生が、感動や喜びを体験して自分の目指す方向性に気付き、頼れるナースとして活躍する方がほとんどです。
実習中に苦楽をともにした仲間とは、永く友好な関係が築けるでしょう。
そのときは大変と感じても、あとになれば笑い話になることも多いもの。
実習では多方面の知識と技術や対応力を身につけられるチャンスですので、ぜひ実習をうまく乗り切ってください。