【オンライン診療とは】どのように受診する?患者にとってのメリットとは?
テクノロジーの進化や発展、必要性や利便性により、オンライン診療が広く普及してきました。
オンライン診療とは、医療機関と患者がインターネットを介して遠隔で医療相談や診察をおこなう仕組みです。
この記事では、オンライン診療とはどのようなものか、具体的な受診方法やメリットデメリット、利用する際の注意点などを紹介します。
オンライン診療とは?基本情報を紹介
オンライン診療は、今後ますます利用される便利な診療方法です。
どのような診療方法か、向いている疾患から向いていない疾患までをくわしく解説します。
いざというときに安心してオンライン診療を受けるために、基本的な知識を身につけておきましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、対面ではなくネット上やアプリなどで医師の診療を受けることです。
自宅や会社にいながら、スマートフォン、タブレット、パソコンなどを使用し、予約、問診、診察、処方箋の発行、決済までを済ませられます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で、感染リスクを最小限に抑える手段としてオンライン診療が注目され、範囲は拡大されています。
さらに自宅で薬の受け取りや服薬指導も受けることが可能となり、充実度が向上しました。
ただし、診察の限界や情報セキュリティの確保などの課題もあります。
適切な状況でオンライン診療を利用し、安心して医療を受けるための選択肢として活用していくことが大切です。
オンライン診療が向いている場合
オンライン診療は、特定の状況や疾患には適しています。
なかでも以下のケースでは、オンライン診療が特に向いているでしょう。
- かかりつけ医による慢性疾患の継続治療
- かかりつけ医によるアトピー性皮膚炎など症状の可視化が可能な疾患の継続治療
- 触診や詳しい検査が不要な疾患
- 遠方の専門医のセカンドオピニオン
例えば、ピル処方や便秘、アトピー性皮膚炎など、普段の様子を把握してもらっているかかりつけ医に薬の継続処方を受ける際などにオンライン診療は向いています。
ほかにも、対面では難しい遠距離にいる専門医にセカンドオピニオンで意見を聞きたいときなどにもオンライン診療は便利です。
オンライン診療が向かない場合
感染症の疑いがある場合や重症化する病気の場合など、オンライン診療が向かない病気もあります。
特定の病状や症状の進行を確認するために、身体的な検査が必要な場合、オンライン診療だけでは十分な情報が得られないことがあります。
ほかにも、初めての症状や、診断が確定していない場合は、対面での診察が重要です。
病歴の詳細なヒアリングや検査をおこなって、正確な診断を下すためには、対面の診察が必要です。
悪化するスピードが早い疾患で、検査や処置が必要なケースにも、オンライン診療はあまり向いていません。
夜間や休日に具合が悪くなった場合にも利用希望者がいますが、その場合は対面診療を検討しつつ、注意が必要です。
オンライン診療の受診方法と手順
ここでは、オンライン診療を受診する際の一般的な流れや方法、手順を解説します。
いざというときのために、受診の方法や流れを知っておくと安心です。
(1)診療内容の確認と予約
オンライン診療を受けるには、まず普段からかかっているかかりつけ医のWebサイトや窓口でオンライン診療が受けられるか確認しましょう。
もしくは、オンラインによる診療を受け付けている最寄りの医療機関を検索サイトなどで探します。
診療内容を確認し、医療機関のWebサイトやアプリを通じて予約をします。
予約時には、患者の基本情報や診察内容、希望の日時を伝える必要があるので手元に保険証があると安心です。
予約フォーマットにしたがって、予約を確定させましょう。
(2)オンライン診療の受診
予約された日時になる前に、診療の際に使用する情報通信機器(スマートフォン、タブレット、パソコンなど)を用意します。
医療機関から指示がある場合、専用のアプリをダウンロードして準備を整えます。
本人確認手段や症状の伝え方などの不明点は、診療前に確認しておくとスムーズです。
診療の直前には、十分な照明があり、静かな場所を確保し、インターネット接続の安定性を確認します。
診療開始時には、診察をおこなう医師や看護師とオンラインで接続されます。
この時点で問診がおこなわれ、症状や健康状態に関する質問に答えます。
医師はこれに基づいて、診断や処方の判断を下します。
(3)オンライン診療後の手続き
診察が終了したら、医師からの指示にしたがって処方薬が必要な場合は電子処方箋が発行されます。
電子処方箋はオンライン経由で直接薬局に送信されることもあります。
受診料や処方薬の支払いについては、医療機関の指示にしたがって決済をおこないます。
最後に、診察内容や指示をまとめた診断書や処方箋が、医療機関のポータルサイトやメールなどを通じて提供されることがあります。
別途、薬の配送を希望するなら、最寄りの薬局を医療機関に伝えたうえで、診察後に薬局にも直接連絡しましょう。
電話やオンラインで服薬指導を受けられ、薬や診断書は後日配送されることもあります。
また、医療機関を受診するように勧められたら、必ず直接かかるようにしましょう。
オンライン診療のメリットデメリット
初めてのオンライン診療の場合、不安があるのではないでしょうか。
オンライン診療のメリットとデメリットを知っておくことで、受診前に気をつけておくポイントを知ることができます。
どのようなメリットがあるのか、気を付けたほうが良いデメリットがあるのか、くわしく解説します。
オンライン診療のメリット
オンライン診療では、予約や会計、処方薬の受け取りが電子化されているため、通常の医療機関に比べて手続きがスムーズです。
待ち時間が短縮されるため、患者は効率的に診療を受けられます。
ほかにも、医療機関に出向かなくてもいいので交通手段の手配や移動時間の削減などが不要となり、忙しい人や1人での外出が難しい高齢者にとって特に便利です。
ほかにも、他の患者との接触がないため、感染症のリスクや二次感染の心配が軽減されます。
特に大規模な感染症の流行時や季節性の感染症の広がる時期には、オンライン診療が安全な選択肢となります。
これらのメリットにより、オンライン診療は多くの人々にとって身体的にも時間的にも楽になり便利です。
オンライン診療のデメリット
オンライン診療の大きなデメリットは、診察の限界があることです。
一部の症状や疾患は、対面診療に比べてオンラインでの診察では情報が不足し、正確な診断が難しい場合があります。
ほかにも通信障害の影響や非対面での信頼性の問題があります。
オンライン診療はインターネット通信を必要とするため、通信が不安定な地域では診察の途中で通信が途切れてしまう可能性があり、診察内容が不完全になる可能性があります。
また、患者が正確な情報を提供しているか、症状を適切に伝えているかの確認が難しい場合があります。
オンライン診療を利用する際にはこれらのデメリットを考慮しつつ、慎重な判断が必要です。
特に症状の重篤度や状況によっては、対面診療を選択することが適切かもしれません。
まとめ:事前によく確認を
オンライン診療で大切なのは、事前に受診方法をよく確認し、不明点は電話などでも聞いてクリアにすることです。
さらに、オンライン診療には向き不向きもあり、対面診療も検討する必要があります。
これから徐々にオンライン診療をはじめるクリニックや病院も増えることでしょう。
オンライン診療は便利な面も多いので、メリット・デメリットを考慮しつつ上手に利用するといいですね。