【准看護師とは】看護師とはどう違う?なり方や仕事内容、役割について知りたい!
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准看護師という職種を聞いたことはあっても、看護師とどのように違うのかなど、わからない点もいろいろとありますよね。
准看護師は、さまざまな点で看護師とかなり似た職種です。
しかし、免許の発行元や養成所での学習時間や内容、求人状況や条件面などがだいぶ異なります。
この記事では、准看護師になるためにはどうしたら良いか、仕事内容や役割、採用状況や給与に至るまで、詳しく解説します。
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准看護師の役割
准看護師とは、保健師や助産師、看護師と同様に看護職の一つです。
准看護師は、医師や歯科医師、看護師の指示を受けて、患者への看護や医師が診察する際の補助をおこなう役割を担っています。
つまり、医師や看護師の指示なくしては業務を進められない立場です。
医療現場でも高齢化による疾病の複雑化などのため、より高い知識や技術が求められるようになりました。
准看護師養成の過程で学ぶ内容や学習時間では、現場で必要とされる人材として足りないと日本看護協会では考えています。
そのため、准看護師養成は停止し、看護師と准看護師を一本化することが長らく求められています。
准看護師と看護師の違い
続いては、准看護師と看護師の違いを具体的に解説します。
気になる給与・賞与の違いもお伝えしますので、チェックしてみてください。
資格・免許
准看護師は各都道府県知事が発行する免許を受けて働く職種です。
一方で、看護師は国家試験を受けて合格すると厚生労働大臣による免許を受けることのできる国家資格です。
資格取得に至るまでの基礎教育にも違いがあります。
准看護師になる場合は、准看護師養成所に2年間通い、1,890時間以上の教育を受けます。
一方、看護師資格を取得する場合は3年間で102単位以上(約3,000時間以上)を履修します。
仕事内容
仕事内容は、基本的には看護師と変わりません。
ただし、大きく異なる点が、准看護師は医師や看護師の指示なしで業務をおこなえないことです。
責任の所在をはっきりとさせるためにも、指示系統を明らかにする必要があるため、准看護師は自分の判断で仕事をすることはできません。
必ず医師や看護師、歯科医師の指示を仰ぐ必要があります。
反対に、准看護師が看護師に対して指示出しをすることもできません。
自分が経験豊かな准看護師で、相手が新人看護師であったとしても、指示系統という観点ではその立場が逆転することはないのです。
昇進
准看護師は、その職種のままでは管理職になることはできません。
現場で責任ある立場で働くことを望むのであれば、看護師や保健師など、他の看護職の資格を取得し、キャリアアップを目指す必要があります。
給与・賞与
給与・賞与は、看護師よりも准看護師の方が少ない傾向です。
具体的な数字を比較して見てみましょう。
給与 | 賞与等 | |
---|---|---|
准看護師 | 29万6,200円 | 62万7,300円 |
看護師 | 35万1,600円 | 86万2,100円 |
※出典:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査(順次掲載予定) 一般労働者 職種
ここから年収換算すると、看護師が5,081,300円、准看護師が4,181,700円。
月収にも賞与にも差がありますが、年収差を計算すると約90万円の開きが生じることがわかります。
准看護師になるには?
続いては、准看護師になるために具体的にどのようなアクションを取れば良いのかをお伝えします。
准看護師養成所
准看護師になるためには准看護師養成所で勉強しなければならないことは、お伝えしたとおりです。
養成所は、中学校を卒業していれば入学試験を受けられます。
無事に試験に合格すれば、そこから2年間かけて1,890時間以上の学習を積み重ねることとなります。
准看護師養成所には全日制と半日制があり、半日制は通学期間が3年間となる場合もありますが、働きながらでも通いやすく勉強時間も取りやすいでしょう。
准看護師試験
准看護師になるためには、准看護師養成所で2年間(または3年間)学んだのち、准看護師試験を受験します。
受験科目は、以下のとおりです。
- 人体の仕組みと働き
- 食生活と栄養
- 薬物と看護
- 疾病の成り立ち
- 感染と予防
- 看護と倫理
- 患者の心理
- 保健医療福祉の仕組み
- 看護と法律
- 基礎看護
- 成人看護
- 老年看護
- 母子看護及び精神看護
義務教育の理科や家庭科で習うような内容から、法律や社会の仕組みに至るまで幅広い履修科目が設定されています。
准看護師試験の合格率は高く、2020年では99.0%、2021年が98.0%、2022年で97.9%と、多くの受験者が合格して准看護師の資格を得ています。
准看護師から正看護師になるには?
准看護師として務めている方が正看護師になるには、看護師養成所で決められた履修科目を学び、国家試験に合格しなければなりません。
看護師養成所での学び方と期間は、大きく分けて以下の3とおりです。
期間 | 通い方 | メリットなど |
---|---|---|
2年間 | 全日制 | 最短で取得が可能 |
3年間 | 定時制 | 働きながら学べる |
2年間 | 通信制 | 7年間の実務経験がある場合のみ、通信制を選択可能。より学びの時間を取りやすい。 |
ただし、最終学歴が中学卒業の場合は、准看護師としての実務経験が3年以上必要です。
日本看護協会では、准看護師養成の停止に取り組んでおり、現在准看護師として就業している方が看護師へチャレンジできるように推進しています。
准看護師採用の現状
2021年の統計では、看護師に対する病院施設の求人が約6万人であったのに対し、准看護師は約0.4万人でした。
現実的には、准看護師を求める採用枠は少なく、正看護師の人手不足を埋めるために准看護師を採用しているのが現状のようです。
ちなみに、2019年の時点で准看護師として就業している人数は約30万で、看護師が約127万人であるのに対して圧倒的に少ない人数です。
さらに、養成所の数もここ20年で約40%に減少しており、2022年4月時点で全国に200校、在校生は約6,000人となっています。
このように、准看護師は求人の面で見ても、育成の面で見ても減少傾向にある職種ですが、看護師の人手不足もあり、すぐに需要がなくなるわけではないと考えられます。
准看護師と正看護師で迷ったら?
准看護師を取り巻くさまざまな状況をお伝えしてきましたが、それを含んだうえで准看護師を目指すとすれば、次のようなケースが考えられるでしょう。
- 費用を抑えて看護職の資格が取りたい
- 少しでも早く医療現場で働きたい
- キャリアアップや管理職には興味がない
- 地元のクリニックなど規模の小さな施設で働きたい
一方、次のような方の場合は、看護師を目指すのがおすすめです。
- 規模の大きな病院でさまざまな経験を積みたい
- 管理職にも興味がある
- 長い目で見て収入や安定性を求める
ご自身の今の状況と、今後のライフプランをかんがみたうえで、准看護師を目指すのか、看護師を目指すのかを検討してみてください。
まとめ
准看護師とは、看護師よりも資格が取りやすい看護職で、仕事内容も看護師と同様のことをする職種です。
しかし、医師や看護師の指示がなければ業務に当たることができないことやキャリアアップが難しいこと、給与が看護師よりも低いことなど、同じ仕事をする看護師とは条件面での差が出てきてしまいます。
また、日本看護協会が准看護師の養成停止を求め続けていることや、求人数の違いを見ても看護師のほうが有利であることは確かなようです。
准看護師を目指す方は、今回ご紹介したさまざまな状況を理解したうえで、資格取得を検討してみてください。