老年看護実習とは？学びの内容や目標について知りたい！
ますます高齢化が進む昨今、看護される患者さんのうち、高齢者が占める割合は大きくなっています。
高齢者の看護は疾患を治すことだけでなく、残りの人生を生き生きと過ごせるような配慮が必要です。
この記事では、老年看護を学ぶ老年看護実習の内容や目標、注意点など気をつけるべきポイントを紹介します。
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老年看護実習とは？目標や目的を解説
老年看護実習とはどのようなことをするのか、実習内容や目的、目標などを解説します。
高齢者は青年期や壮年期の患者さんにはない特徴があり、理解しておかないと必要な看護ができません。
老年看護を学ぶメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。
老年看護とは？
老年看護とは、高齢者が生き生きと自分らしく暮らしていくことを目標とした看護です。
高齢になるほど看護を受ける機会や必要性は増しますが、高齢者は青年期や壮年期の患者さんにはない特徴があります。
高齢者特有の病気や疾患もありますが、なかには完治しないものも珍しくありません。
完治が見込めない病気や疾患とうまく付き合いながら生活していく高齢者とその家族の健康を支える看護を実践していくことも、老年看護の目的です。
看護学校では、老年特有の疾患や症状を座学で学びますが、それだけでは現場で老年看護を実践するのは難しいでしょう。
より実践的な看護の仕方を学ぶためにも、実習経験は重要です。
老年看護実習とは？どこで実習する？
老年看護実習(老年看護学実習)は、病院や介護老人保健(福祉)施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウスなど、高齢者が多く過ごす施設で実施されるのが一般的です。
昨今は看護師の就職先も多様になり、老人ホームやグループホームに就職する方も珍しくありません。
老年看護実習を受ければ、高齢者施設で働くのはどのようなことなのか、病院とはどのような違いがあるのかもわかるでしょう。
老年看護実習の目標や目的とは
老年看護実習の目的は、「老年期にある対象を理解し、健康問題に応じた看護を展開できる能力を養う」ことです。
核家族化が進むなか、看護師を目指す学生や看護師になったばかりの若い年代が私生活で高齢者と関わる機会は減っています。
高齢者にどう関わると良いかを知識として知っていても、老化が生活に及ぼす影響や、老年者の生活のあり方などは、なかなか実感しにくいでしょう。
老年期の看護は壮年期や青年期の看護とは異なる点も多く、疾患の改善だけでなく、疾患とうまく付き合っていく方法を指導することも求められます。
老年看護実習を受けることで、老年期の患者さんへの理解も深まるでしょう。
老年看護で大切なことは？学びの内容や特徴
ここでは、老年看護実習を受けるうえで大切なことや、学びを深めるために重要なことを紹介します。
これから老年看護実習を受ける方は、ぜひ参考にしてください。
高齢者の特徴を知る
老年期は、加齢にともなう生理的・精神的機能の減退(老化現象)が顕著になる時期です。
同時に、過去の生活や考え方、社会との関わり方が個人の人格に深く影響を及ぼしていることを理解する必要があります。
同じような年齢であっても健康状態のとらえ方や考え方にも大きな違いが出てくることがあります。
また、世の中の主流となった考え方とずれが生じている方も珍しくありません。
ですが、頭から否定せず、高齢者の意志や自尊心を尊重して理解に努めることも重要です。
看護がよりスムーズになり、看護師と患者のコミュニケーションも円滑に取れるようになるでしょう。
成人との違いを理解する
青年期・壮年期の患者と異なり、老年期の患者は疾患を完治させるのが難しいケースが格段に増えます。
治癒を目的とする看護ではなく、慢性疾患との共生など病気との共存や身体能力の維持を中心とした看護が必要です。
予防的対処を優先するなど残存機能に目を向けたケアの重要性もより高まっています。
その一方で、高齢者は自身の価値を見失いがちでもあります。
治療期間が長引くと、「自分はもう生きている価値がない」と悲観的になりがちな高齢者も珍しくありません。
高齢者の精神的なサポートもおこなうと同時に、家族の相談にのることも重要です。
老年看護の看護師の役割を抑える
高齢者は、複数の疾患を考えている方も多いです。
また、身体機能や認知能力、理解力も低下しているために疾患があっても自覚症状に乏しかったり症状自体が出にくかったりもするでしょう。
老年看護に取り組む看護師は、高齢者が「問題ない」といっても、身体症状をよく確認し、疾患などを見逃さないことが大切です。
このほか、回復をせかさない、高齢だからしょうがないと言わないことなども重要です。
一度の実習ではなかなか身につかないかもしれませんが、実習をおこなったうえで現場で入ると、心構えができるでしょう。
レポートからわかる実習で学んだこと
実際に老年看護実習を経験した先輩のレポートの一部を紹介します。
実際に実習を経験した方の声は、何よりの参考になるでしょう。
高齢者とのコミュニケーションの難しさ
実習を経験した先輩看護師、看護学生が作成したレポートのなかで最も多かった感想は、高齢者とのコミュニケーションを取る難しさです。
「患者さんが何を伝えたいのかを読み取るのが難しかった」「難聴の患者さんや認知症の患者さんからの情報収集が難しかった」「なんと声かけして良いかわからなかった」など、高齢者と実際接した際に困惑した後悔が目立ちます。
かつて、三世代同居が当たり前だった時代では、高齢者が家にいるのが普通だったので、生活しながらコミュニケーションをとる能力が磨けました。
しかし、高齢者と若い世代が一緒に生活する機会が少なくなった昨今、看護師になって初めて高齢者に関わる方も珍しくありません。
看護学を教える講師たちからも課題となっている問題です。
まずは、高齢者とどうすればスムーズにコミュニケーションが取れるのか１０週前にも考えておくと良いでしょう。
まとめ：老年看護実習のポイントを把握しよう
老年看護実習は、さまざまな症状の高齢者と接します。
時には祖父母よりも年上の高齢者と関わったり、性格が難しい高齢者と関わりになることもあるでしょう。
なかなかうまくいかずにくじけそうになることもあるでしょうが、人は誰でも高齢者になります。
いつかは自分も高齢になるのだと考え、敬意をもって看護にあたりましょう。
丁寧な言葉遣いと態度で接し、相手を子ども扱いしないように気を付けるだけでも、うまくいくようになるケースもありますよ。
