看護師の資格にはどんな種類がある?自分が目指す姿のヒントにしよう!
看護師は、看護師のほか准看護師、保健師、助産師など複数の免許の種類があります。
看護師を目指したいけれど、どの免許や資格を取れば良いか迷っている方もいるでしょう。
また、看護師として勤務しているが、スキルアップや転職で追加で資格取得を考えている方も多いことでしょう。
看護師の資格の種類やそれぞれの特徴、取得方法などを紹介します。
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看護師の要免許資格は4種類
看護師の免許は、看護師のほか准看護師、保健師、助産師の4種類があります。
看護師、准看護師の免許以外は看護師の資格を取得したうえで、追加で取得する形です。
ここでは、それぞれの特徴と取得方法などを解説します。
看護師免許
看護師は、医師の診療に基づいて診療や医療の補助をするほか、症状に応じた看護をする仕事です。
看護師免許を取得するには、4年制大学、3年制の短大・専門学校のいずれかを卒業して国家試験に合格する必要があります。
近年は、医療の高度化に伴って4年制の大学に進学する学生も増えています。
2023年の看護師国家試験出願者数は総計64,704人、受験者数は64,051人、合格者数は58,152人、合格率は90.8%でした。
医師国家試験同様、学校で学んで単位を取得した方のみが試験を受けるため、合格率も高めです。
准看護師と対比する形で「正看護師」と呼ばれることがありますが、正式名称ではありません。
国家試験に合格したら免許申請をし、厚生労働省で管理する有資格者の籍簿に登録されると看護師免許が取得できます。
准看護師免許
准看護師は各都道府県知事により与えられる資格であり、同じ看護師でも国家資格ではありません。
2022年度の准看護師試験の全国各地の受験者数の合計は1万3,831人、合格者数は1万3,544人、合格率は97.9%でした。
前年度は98.0%でしたので、看護師より合格率は高めです。
准看護師は、中学卒業後、看護課程がある専門学校に進学して2年の履修で准看護師の資格試験が受けられるため、以前は費用を抑えて最短で看護の資格を得たい方、早く働き始めたい方に一定の需要がありました。
しかし、医療の高度化もあり、看護師と同じ仕事をしているのに給与は安めなことなどから、現在は目指す方も養成学校も減少傾向です。
厚生労働省も准看護師より看護師の取得を推奨しています。
准看護師から看護師の資格を取得するには、3年制の学校に通う必要がありますが、7年以上の実務経験がある場合は、2年制の通信制、定時制の養成課程を利用しての取得も可能です。
▼准看護師についてこちらの記事で詳しく解説しています。
【准看護師とは】看護師とはどう違う?なり方や仕事内容、役割について知りたい!
保健師免許
保健師は、地域に住む住民の保健指導や健康管理、乳幼児検診をおこなえる資格です。
保健師の国家試験を受験して合格すれば取得できますが、保健師の国家資格の受験資格は、看護師の資格を取得していることが条件です。
したがって、3年制の専門学校や短大の場合は学校を卒業して国家資格に合格したら、さらに1年間保健師の養成機関に通学したうえで、保健師の国家試験を受けます。
4年制の大学の場合は、看護師と保健師の免許を同時に取得できるようにカリキュラムも組めます。
2023年の保健師国家試験の出願者数は8,160人で合格率は93.7%でした。
▼保健師についてこちらの記事で詳しく解説しています。
【保健師の仕事】看護師との違いは?共通点はある?
助産師免許
助産師は、助産行為ができる専門職です。
保健師と同じように看護師の資格を取得していないと助産師の免許を取得できる国家試験は受験できません。
ですから、4年制の大学で看護師と助産師の勉強をおこなうか、3年制の専門学校や短大で看護師の資格を取得したうえで助産師の勉強ができる専門学校にもう1年通う必要があります。
看護師の資格を取得せず助産師の資格は得られず、准看護師の資格では助産師の国家資格の受験資格にはならないので、注意しましょう。
なお、2023年5月現在、助産師は女性に限られており、男性は受験資格がありません。
2023年の助産師国家試験の出願者数は2,084人で合格率は95.6%でした。
日本看護協会認定の看護師資格3種類
看護師の資格を取得したあと、働いてキャリアを積みながら取得できる資格があります。
ここでは、看護師のキャリアの証明となり、キャリアアップにもつながる3つの資格を紹介します。
認定看護師
認定看護師とは、ある特定の看護分野で、熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師のことです。
高度な看護をおこなったり、看護実践を通して後輩指導ができたりします。
認定看護師になるには、通算5年以上の実務経験が必要であり、そのうちの3年以上は取得を希望する認定看護分野で経験を積まなければなりません。
その後、認定看護師教育機関で1年以内に800時間程度の教育を受け、特定行為研修のプログラムを受講し、認定審査を受けて合格すれば、特定認定看護師の資格取得ができます。
なお、合格後は5年ごとの資格更新が必要です。
認定看護師の資格を取得すれば専門知識を有し、質の高い看護ができる客観的な証明にもなります。
▼認定看護師についてこちらの記事で詳しく解説しています。
【認定看護師】どんな分野・種類がある?どうやったらなれるの?制度についても解説
専門看護師
専門看護師は、特定の分野で専門性の高い優れた実戦看護能力がある者として、日本看護協会より認められた看護師の資格です。
看護のエキスパートと言い換えても良いでしょう。
専門看護師になるには、看護系大学院修士課程修了者で、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していなければなりません。
そのうえで、毎年1回実施されている専門看護師認定審査に合格する必要があります。
つまり、認定看護師より資格の難易度が高いのです。
100万人以上の看護師がいるなかで、専門看護師は1,700名しかいません。
かなりの狭き門ですが、取得する価値が高いでしょう。
認定看護管理者
認定看護管理者とは、看護師長や看護部長などの管理者向けの資格です。
5年以上の実務経験を経たうえで、認定看護管理者教育課程(180時間)を受講するなど、定められた条件を満たし、認定看護管理者認定審査に合格すると取得できる資格です。
認定看護師や専門看護師と同じように、認定を受けたあとは5年ごとの更新が必要です。
取得すれば、看護従事者に関するマネジメントのエキスパートであることが証明できます。
看護師がスキルアップできる資格の種類
最後に、看護師としてのスキルを向上させられる資格の種類は多数ありますが、ここでは2つ紹介します。
専門看護師、認定看護師ほど取得のハードルが高くなく、資格を取得するとキャリアアップや仕事の幅が広がります。
職場によっては、職場が資格取得のバックアップをしてくれるところもあるので確認してみてくださいね。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャーとは、ケアプラン(サービス計画書)の作成や介護を希望する方とサービス事業者との調整をおこなう介護のスペシャリストです。
介護保険法により都道府県知事が認定する資格であり、介護サービスを支える重要な役割をになっています。
ケアマネージャーになるには、保健医療福祉分野での実務経験が5年以上あり、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格し、介護支援専門員実務研修の過程を修了する必要があります。
看護師の場合は、5年以上の実務経験があれば、ケアマネージャーの介護支援専門員実務研修受講試験の受験要件を満たせます。
看護と介護は近い仕事なので、取得しておくと看護から介護へ移行した方の橋渡し役を担えるかもしれません。
呼吸療法認定士
呼吸療法認定士とは、「特定非営利活動法人日本胸部外科学会」「一般社団法人日本呼吸器学会」「公益社団法人日本麻酔科学会」の3つの学会が合同で創設した認定資格です。
呼吸理学療法や吸入療法、酸素療法などの呼吸療法の的確な実施と、その機器の管理をおこなえる資格であり、高齢化が進む現在、重要度が増しています。
呼吸療法認定士の資格取得には、実務経験が2年以上、呼吸療法認定士の認定委員会が認める講習会や学会に5年以内に出席し、25点以上を取得していることが条件です。
また、資格取得後には5年ごとの更新が必要です。
まとめ:自分が目指す姿のヒントに
看護師の資格は、看護全般に必要なものと特定の分野に特化した働き方をするのに必要な資格の2種類があります。
看護師の資格を取得したうえで、働きながらさらにキャリアアップや転職を目指して取得する資格も多くの種類があります。
自分の目指すキャリアがどの方向にあるか見極め、必要な資格取得を目指せると良いですね!