医学部の臨床実習とはどんなことをするの?他の実習との違いとは

医学部の臨床実習とはどんなことをするの?他の実習との違いとは

医学部にはさまざまな実習があります。

そのなかの一つである臨床実習とは、どのような実習なのでしょうか。

この記事では、医学部生が参加する他の実習との違いや、臨床実習の始まる時期や期間、目的を医学部の2023年改正事項なども含めて詳しくご紹介します。

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臨床実習とは?期間や目的、メリット

臨床実習とは?期間や目的、メリット

医学部生なら内容を知っておきたい臨床実習。

ここでは、臨床実習をおこなう期間や目的、メリットなどをご紹介します。

臨床実習とは?期間は?

臨床実習とは、医療従事者を目指す学生が医療機関や福祉施設でおこなう実習のことで、「病院実習」と呼ばれることもあります。

患者と実際に対面し、診療や治療、カルテの書き方など大学で学んだことを現場で確認し、より確実なものにしていくためにおこなわれます。

医療情報の種類と役割、情報の取扱い、専門職の役割や業務内容、倫理観なども現場に出て学んでいきます。

実習期間は、1年次で1週間、4年次で4週間などですが、学校や学科によっても異なります。

医学部や歯学部は合計約2年間の臨床実習期間がありますが、他の医療従事者は1年間程で終了するケースが多いようです。

臨地実習とは?臨床実習との違いは?

「臨地実習」は「臨場実習」と呼ばれることもあります。

養成施設の教員や研修生が指導に当たる臨床実習と違い、臨地実習は医療機関や福祉施設で働く医療従事者が指導する場合があります。

実習をおこなう施設によって名称を区別しているケースもあります。

臨床実習の目的やメリット

医療現場での診療や治療で患者さんと向き合い、カルテの書き方やコミュニケーションの取り方など含めて、学校で学んできた操作や疾患の知識などをしっかりと身につける目的があります。

臨床実習で、現場の雰囲気を感じ取ることもできます。

幅広い視点で学べるため、教科書だけではわからない多くの気付きが得られるでしょう。

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臨床実習の種類と実習先、内容

臨床実習の種類と実習先、内容

臨床実習にはいくつかの種類があります。

医学部では「解剖実習」「早期体験実習」「見学型臨床実習」「診療参加型臨床実習」などがあります。

ここでは、臨床実習の主な種類と実習先、実習内容などを簡単にご紹介します。

早期体験実習

「早期体験実習」とは、臨床実習の前教育として、1〜2年次におこなわれる臨床医学実習の一つです。

医療従事者として基礎的な知識を備えることを目的とし、実習を通して患者の立場に立ち医療に携わる人間としての倫理観を醸成させます。

外来患者のエスコートをしたり病院の各部署業務を経験したりと、病院全体の成り立ちを把握、理解するためにもおこわれる実習です。

大学や学科によっては実施されない場合もあるので確認してみましょう。

見学型臨床実習(ポリクリ)

「見学型臨床実習」はドイツ語のPoliklinik(ポリクリニック)から「ポリクリ」とも呼ばれている実習です。

医学部の4年次、5年次、6年次に実施される実習で、医療機関で実際の医師が指導にあたります。

外来の見学、病棟での実習、手術見学などを通し、医学の基礎から学んでいきます。

医師の指導でリアルに現場を感じられ、患者に対してのコミュニケーションの取り方もお手本にできるでしょう。

病棟では患者を任せられることもあり、治療をおこないながらさまざまな角度から疾患について学べることも特徴です。

診療参加型臨床実習(クリクラ)

「診療参加型臨床実習」とは、Clinical Clerkship(クリニカル・クラークシップ)の略で「クリクラ」とも呼ばれます。

自身が興味のある診療科を選択し、1ヵ月間など期間限定で医療チームの一員として医師の知識、技能、マナーなどを学ぶ実習です。

学生は臨床実習医学生(スチューデント・ドクター)として医療チームに入り、研修医、指導医とともに診療、治療にあたって臨床医学を身につけていきます。

学生が診断や治療方針を最終決定することはありませんが、患者とコミュニケーションを取り、自分の力で話を聞き診察をし、診断や治療を考える機会を与えられる臨床実習です。

医学部の臨床実習の内容、共用試験

医学部の臨床実習の内容、共用試験

2023年、医学部の臨床実習や共用試験(CBT・OSCE)の公的化や臨床実習医学生(スチューデント・ドクター)などが改正されることはご存知でしょうか?

ここからは、2023年度からの変更点も含めて共用試験の概要などをご紹介します。

2023年度からの改正で変更

2023年以降、日本を含むアメリカ国外の医学部卒業生が、アメリカでの医師国家試験を受験するにあたり、世界医学教育連盟が認定した医学部の卒業生に限るとされた「2023年問題」。

この問題を受け、医学生が診療に参加する診療参加型臨床実習の大幅な促進として、医学生の質の担保と「Student Doctor」の法的位置付けを重要視すること、CBTとOSCEの公的化を求めたことで、2021年5月、医療法が一部改正されました。

これにより、2025年度には共用試験合格を医師国家試験の受験資格要件とし、2023年度(4月1日施行)には共用試験に合格した医学生が医師の指導監督の下、臨床実習として医業をおこなうことができるようになりました。

共用試験(CBT・OSCE)とは?公的化はいつから?

診療参加型臨床実習に参加するためには、共用試験(CBT・OSCE)を受ける必要があります。

CBT(Computer-Based Testing)とは、臨床実習に求められる知識や問題解決能力についてコンピュータを用いた択一試験で、知識・技能・態度が一定水準以上にあるかが問われます。

OSCE(Objective Structured Clinical Examination)は、臨床実習をおこなう技能を身に付けているかを評価する試験です。

また、共用試験が公的化されることで、臨床実習をおこなう医学生の水準が「準国家試験」や「一次国家試験」合格者と同等になります。

参照:厚生労働省|医学生共用試験要綱

臨床実習医学生(スチューデント・ドクター)とは

臨床実習医学生(スチューデント・ドクター)とは、全国医学部長病院長会議が認定する資格です。

全国統一の共用試験に合格し、実習に必要十分な知識、技術、態度を修得していると認定された医学生に与えられるものであり、大学によっては独自の試験に合格し、必要な能力があると認定された医学生のみにスチューデント・ドクターの資格を与えます。

スチューデント・ドクターの資格取得後は、診療に参加できる診療参加型実習での医行為が認められます。

医療行為には、指導医の監督下で実施するものと、指導医がおこなう医療行為を介助・見学するものがあり、患者の同意のもと、おこなうことが原則です。

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まとめ:詳細は各大学や学科で確認を

同じ医学部でも、各大学の方針や学科によって臨床実習の位置付けや実習期間、実習内容が異なるものも多くあります。

また、近年では実習の増加も促進されているので、自身が通っている大学や在籍している学科で内容をよく確認し、臨床実習の準備をしてくださいね。

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