【新卒】看護師の初任給は高いの?平均や手取り、ボーナスなどをご紹介!

ガッツポーズをする看護師

看護師として就職するにあたって、給与は気になる点の一つですよね。

せっかくなら、より給与の高い職場で働きたいと考える方も多いのではないでしょうか。

この記事では、看護師の初任給や手取り額、そして勤務先による給与の違いを詳しく解説します。

また、看護師が高い給与を得るためにできることなども詳しくご紹介しますので、看護師として働く予定の方は、ぜひチェックしてみてください。

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新卒看護師の初任給は平均約26万円

初心者マークを持つ看護師

【新卒看護師の初任給】
平均基本給与額 平均税込給与総額
高卒+3年課程 203,445円 259,233円
大卒 209,990円 267,440円

※出典:2021年病院看護・外来看護実態調査 報告書│日本看護協会

この数字は、夜勤は三交代で8回(二交代で4回)と想定、時間外手当は含まない金額です。

平均税込給与総額から、税金や社会保険料などを差し引いた手取り金額が平均基本給与額となります。

税込み給与総額のおよそ8割程度ですね。

【医療・福祉分野を含む、一般労働者の新卒賃金】
高卒 専門卒 高専・短大卒 大卒 大学院卒
179,700円 206,900円 199,800円 225,400円 253,500円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 調査結果の概要」(新規学卒者)より

高卒+3年課程の新卒看護師と、一般労働者の大学院新卒が同程度の給与です。

看護師は専門職のため、給与水準は一般より高いことがわかります。

初めてもらう4月の給料は少ない?!

驚く看護師

4月最初の給与支給日に、いきなりご紹介した水準の賃金を期待して銀行口座を確認すると、がっかりする羽目になるかもしれません。

なぜなら、初月は締め日の関係で満額支払われない場合が多いからです。

4月1日に入職し、4月10日が給与の締め日だった場合は、日割りで10日分の給与しかもらえません。

また、入職して初めの数ヵ月は夜勤がないため、夜勤手当も付きません。

逆に、制服代や寮生活の場合は寮の諸経費が引かれているため、思ったよりも手取りがかなり少なくなります。

新卒看護師がもらえる賞与(ボーナス)はいくら?

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によれば、入職後すぐの20~24歳の看護師の平均賞与は48,700円です。

1~4年目になると657,100円ほどもらえるのが平均的なボーナス支給額です。

看護師のボーナスは、主に夏と冬の年2回支給されますが、勤務先の規定や規模によって回数や金額は異なります。

また、入職後0年の賞与が「桁違いでは?」と驚いてしまうほど少ないのは、評価対象期間が短いからです。

最初のボーナスをもらうのが7月として、働き始めるのが4月ですから、日数的に考えても当然金額は少なくなります。

翌年以降は徐々にあがっていくので、心配はいりません。

※出典:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

勤務先の規模による新卒看護師の初任給の違い

続いて、勤務先の規模、つまり病床規模別にもらえる給与が違うのかどうかを確認してみましょう。

高卒+3年課程 大卒
99床以下 253,714円 260,636円
100~199床 257,098円 264,749円
200~299床 260,865円 269,602円
300~399床 264,689円 274,017円
400~499床 262,764円 272,042円
500床以上 266,511円 275,096円

※出典:2021年病院看護・外来看護実態調査 報告書│日本看護協会

この表を見ると、病床数が多い病院に勤める新卒看護師ほど、給与が高くなる傾向にあることがわかります。

99床以下の病院と500床以上の病院とでは、給与の月額差は約15,000円です。

手取り額でいえば、その差は縮まるものの、年収として考えるとそれなりの違いになってきます。

設置主体による新卒看護師の初任給の違い

次に、国立や公立、日本赤十字社など、設置主体別の新卒看護師の給与をお伝えします。

高卒+3年課程 大卒
国立 257,592円 268,817円
公立 259,285円 270,010円
日本赤十字社 266,411円 275,874円
済生会 258,656円 268,286円
厚生連 242,847円 253,242円
その他公的医療機関 279,328円 285,768円

※出典:2021年病院看護・外来看護実態調査 報告書│日本看護協会

この表を見ると、その他公的医療機関と医療生協とでは、約30,000円も新卒初任給に違いがあることがわかります。

ちなみに、法人や企業の場合は、規模や経営状況が勤務する看護師の給与に影響を及ぼす傾向にあります。

都道府県による新卒看護師の初任給の違い【首都圏版】

都道府県のパズル

続いて、都道府県別の新卒看護師の初任給もチェックしてみましょう。

ここでは、首都圏の給与額をお伝えします。

高卒+3年課程 大卒
茨城県 260,409円 272,081円
栃木県 266,825円 274,722円
群馬県 259,979円 264,962円
埼玉県 273,001円 280,445円
千葉県 286,903円 294,596円
東京都 282,088円 288,910円
神奈川県 274,423円 280,982円
山梨県 250,688円 260,542円

※出典:2021年病院看護・外来看護実態調査 報告書│日本看護協会

東京都の給与が高そうなイメージもありますが、実際は千葉県の新卒看護師がもらっている初任給が最も高額でした。

基本的に、首都圏の病院に勤めている新卒看護師の給与は、平均的に高め傾向のようです。

今後どのくらい給与があがる?

上昇のイメージ

新卒で看護師として働き始めて、だいたいどのぐらいのペースで年収が変化していくのでしょうか。

厚生労働省による賃金統計をもとに、ご説明します。

勤務年数 0年 1~4年 5~9年 10~14年 15年以上
所定内給与額 249,800円 276,100円 295,100円 311,400円 342,100円

※出典:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

15年以上経験を積むと、新卒よりも月収が約10万円アップすることがわかります。

また、このほかに賞与や手当が付くので、実際にはもっと収入差は大きくなるでしょう。

高校を卒業して、現役で大学に入学したとすれば、新卒で病院へ入職するのが22歳のとき。

その後ブランクを計算に入れずに考えると、だいたい37歳頃には500万円以上の年収を手にできるのが平均的な数字です。

実際には、育児などで数年のブランクが生じる可能性もあるので、だいたい40歳ぐらいには上記の年収に手が届くと考えられます。

看護師ができるだけ高い給料をもらうには?

比較的給与水準の高い看護師ですが、さらに高い給与を得るためにできることをご紹介します。

規模の大きな病院に勤める

お伝えしたとおり、病床数が多く、規模の大きい病院のほうが給料が高い傾向にあります。

そのため、私大付属の大学病院など、より大きな病院へ移ることで給与アップが望めるでしょう。

都市部に勤める

地域によっても新卒の初任給や給与水準に違いがあり、都市部のほうが高い傾向です。

地元を出て働こうと考えているなら、なるべく都市部を選ぶと給与の高い勤務先が見つかるかもしれません。

地元から通勤する場合も、通える範囲で大きな街の病院を探すと良いでしょう。

資格を取得する

看護師として経験を積みながら、スキルアップできる資格取得を目指すのも一つの方法です。

認定看護師や専門看護師、呼吸療法認定士、または助産師なども選択肢として挙げられます。

忙しい仕事の合間をぬって勉強したり、学費などにお金をかけたりするのは大変ですが、長い目で見れば価値のある努力、投資となるでしょう。

資格を取得しても、すぐに給与があがるとは限りませんが、スキルアップや活躍の幅が広がり、資格によっては開業も可能になります。

管理職を目指す

同じ職場に勤めて、地道に成果を残していけば、看護部長や看護師長、看護主任に着任できる可能性もあります。

そうなれば、業務の幅や責任は増えますが、昇給を目指しながらキャリアアップもできるでしょう。

若いうちから高収入を手にできるわけではありませんが、長くコツコツ努力できる方ならば、トライしてみても良いですね。

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まとめ

看護師の初任給は、さまざまな職業の平均よりも高い水準です。

ただし、勤務先の規模や設置主体によっても、給与額は違ってきます。

病院のある都道府県によっても、給与水準は異なりますが、おおむね首都圏では平均よりも高い給与を得られます。

もし、新卒で入職した病院の初任給が思ったような金額ではなかったとしても、転職したり資格を取得したり、管理職を目指したりすることで、給与をアップさせられるでしょう。

ぜひ、やりがいのある仕事で給与アップを目指し、人生設計に活かしてみてください。