【プリセプターとは】指導する側にもメリットが!?制度や役割について解説
プリセプターとは、一定期間経験を積んだ先輩ナースが新人のナースを1対1で指導する制度のことです。
プリセプターを任された先輩ナースは通常の業務に加えて後輩の指導をしなければならないので、なかなか大変です。
憂鬱で、できれば避けたいと思っている方もいるでしょう。
しかし、プリセプターは指導する側にもメリットがあります。
今回は、プリセプターとはどのような指導方法か、メリットとともに解説します。
賃貸スタイルの「住まいの紹介サービス」では、お部屋探しのご相談をチャットで24時間受け付けております。
就職や通勤のために、医療機関の周辺でお部屋探しをしている方はぜひお気軽にご活用くださいね。
プリセプターとは?プリセプター制度の基本を解説
はじめに、新人看護師を先輩看護師を一定期間指導するプリセプターとはどのような制度なのかを解説します。
先輩ナースが果たす役割や、必要なスキルも解説するので参考にしてください。
プリセプターとは?語源は?
プリセプターとは、経験を積んだ看護師が新人看護師をマンツーマンで指導する制度です。
指導役の先輩をプリセンター、新人看護師をプリセプティと呼びます。
プリセンターの語源は英語の「Preceptor」であり、意味は教育者・教師です。
プリセンターは、新人看護師のプリセプティと自分の担当患者を一緒に看護することで、より実践的な指導が可能になります。
プリセプターになる看護師の役割は?
プリセプターの役割を担う先輩の看護師は、業務内容や看護技術の指導、教育はもちろんのこと、仕事に対する不安や悩みの相談相手にもなります。
看護師の仕事は、人の命を預かる大切な仕事です。
そのため、新人の頃にしっかりと業務内容や心構えを教えなければなりません。
通常の会社では、新人教育は1人の教官に対し複数の新人でおこないます。
しかし、看護師はその仕組みだとなかなか細かいところまで目が行き届きません。
そこで、プリセプター制度を利用して、きめ細かい所まで指導をおこないます。
プリセプターの役割を担った看護師は、担当となったプリセプティと二人三脚で指導をおこない、新人を育てる重要な役割を担います。
プリセプターに必要なスキル
プリセプターに任命されるのは、仕事に慣れてさまざまな業務ができるようになった3〜5年目の看護師が多いです。
プリセプターは看護スキルの習熟度はもちろんのこと、新人看護師とコミュニケーションがとれる能力・指導力が必要とされます。
したがって、病院などの職場で経験を積み、実力と指導力があると認められた看護師が師長や副師長、主任ら、複数人の管理職が検討を重ねて任命します。
プリセプターに選ばれるのは、仕事の能力が認められただけでなく、指導力に優れた看護師と評価されたことでもあります。
プリセプター制度とは?目的と導入の背景
では、プリセプターはどのような目的をもって導入されているのでしょうか?
ここでは、プリセプター制度の概要とともに、導入の目的や期間などを解説します。
プリセプター制度とは?期間は?
プリセプター制度とは、別名プリセプターシップと呼ばれ、新人看護師が特定の先輩看護師に付いて1対1の指導を受ける仕組みです。
期間は6ヵ月間から1年間とそこそこ長く、時期は新人看護師が臨床現場に立つ初期の段階です。
新人看護師が病院に就職したばかりの段階できめ細かな指導を受けられ、さらに仕事に関する不安や悩みを相談する相手を得られるので、高い効果が期待されます。
プリセプター制度の目的と導入の背景
看護師を志望する方は、そのほとんどが高い理想をもっています。
しかし、理想と現実にはどうしてもギャップがあり、このギャップを乗り越えられないことを、リアリティショックと呼びます。
リアリティショックは、どんな職場でも起こる可能性がありますが、乗り越えられないと早期の離職につながる恐れもあるでしょう。
看護師は資格を取得するまでが大変であり、早期離職は病院側にも大きな痛手です。
プリセプター制度をうまく利用すると、新人看護師のリアリティショックを最小限に押さえ、乗り越える手助けも得られます。
プリセプター制度の種類
プリセプター制度は基本的にマンツーマンです。
しかし、完全に先輩看護師1人に指導を丸投げするわけではありません。
プリセプターの上には、シニアプリセプター(アソシエイト)が付いて監督したり、プリセプターの相談に乗ったりします。
また、日常業務や看護技術などの指導や教育はプリセプターが担当し、プリセプティの精神的なフォローはメンターが担当するケースもあります。
プリセプターを任せられるのは有能な看護師ですが、いきなりすべてを任せられるわけではありません。
プリセプターをサポートする制度もしっかりと作っていくことが重要です。
プリセプター制度のメリット・デメリット
最後に、プリセプター制度のメリットやデメリットを解説します。
プリセプターとプリセプティ双方のメリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
プリセプターのメリット・デメリット
プリセプター側のメリットは、新人を指導し仕事を教える立場になることで、自分自身の業務を振り返ることができ、自分のスキルが向上したり、業務の進め方を改善できる可能性があることです。
また、プリセプティが評価されると自分の評価も上がるため、苦労してでもやりがいを感じるケースもあるでしょう。
一方、プリセプターのデメリットは、サポート体制によっては通常業務以外の仕事が増え、負担が大きくなることです。
プリセプターが不安や重圧に耐えかねて離職や休職などすれば、優秀な人材の損失にもつながるでしょう。
病院側はサポート体制やケア体制を整えておく必要があります。
プリセプティのメリット・デメリット
プリセプティのメリットには、疑問を抱いたらその場ですぐに質問でき、分からないことを放置することなく成長できることが挙げられます。
きめ細かい指導で技術や知識が身に付きやすく、看護の実践時もサポートやフォローが入るため、失敗したらどうしようなど、精神的な負担も少なくてすむでしょう。
一方、プリセプティのデメリットは担当のプリセプターと相性が悪かったり、プリセプターの能力が足りなかったりするケースです。
双方にデメリットが生じるばかりか、プリセプティの早期離職にもつながりかねません。
プリセプターは優秀な看護師が選ばれますが、どうしても相性があります。
プリセプターとプリセプティの組み合わせは慎重に決める必要があります。
まとめ:教育・研修制度を理解し、協力して乗り越えよう
プリセプター制度は、新人看護師をきめ細かく指導して早く1人前にするために有効な制度です。
しかし、病院側もしっかりとサポートをしないとプリセプターだけに負担が集中する、プリセプティとプリセプターの人間関係が悪くなるなどのデメリットがあるでしょう。
そのようなデメリットを防ぐためには、プリセプターとプリセプティ両方とも第三者に気軽に相談できる仕組みを作るなどの対応が大切です。